2024年5月21日に開催された第16回「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」(以下、当該会議)では、「市場区分見直し後の状
況と今後のフォローアップについて」、「企業行動規範の見直し」等のテーマについて議論されました。
2024年5月31日には、東証から当該会議のテーマに関連して、「グロース市場における投資者への情報発信の充実に向けた対応について」
及び「上場審査に関するFAQ集」が公表(以下、当該公表)されております。
本稿では、当該公表等の概略を取りまとめております。
「グロース市場における投資者への情報発信の充実に向けた対応」について
本テーマでは、グロース市場の上場会社は、高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗状況の開示について、投資者向けの情報発信のより一層の充実が必要との課題認識を元に、「①情報開示の強化」、「②IR活動の強化」という観点から、対応が期待される事項等が示されており、それぞれのポイントは下表の通りです。
2024年5月31日の当該公表後に東証グロース市場にIPOした会社の中で、「①情報開示の強化」の観点で、IPO時に開示が義務付けられている「事業計画及び成長可能性に関する事項」において、IPOの目的を記載している会社が数社ありますが、中でも下記の株式会社Liberawareの開示は、IPOの目的の各項目が成長戦略との関係性も踏まえて分かりやすく記載されており、参考となる開示事例と思料されます。
「上場審査に関するFAQ集」について
本FAQ集は、本来はスタートアップの成長に資するべきIPOのための取組で、かえって成長の阻害となっていると指摘されている項目に関して、東証の上場審査の考え方等を取りまとめたものです。
具体的な内容としては、「その他IPOに関する疑問について」の項目も含めた下表の各項目に関して、上場審査上の考え方、実際の事例や留意点も含めて分かりやすく説明されております。
なお、本FAQ集は、今後の相談内容等を踏まえて定期的に更新されることとなっております。
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