バーチャル株主総会の動向

 昨年来、上場会社の株主総会の開催手法として注目されているバーチャル株主総会について、バーチャルオンリー株主総会の実現のための特例が含まれた「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」が2021年2月5日に閣議決定され、今国会で審議を経て2021年6月9日に参院本会議にて可決・成立しました。
 本稿では、上記法律案に関する内容について概略を取りまとめております。

バーチャル株主総会をめぐる状況

 「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」における、バーチャルオンリー株主総会の実現のための特例の具体的な内容としては、会社法上、株主総会を招集する場合には「場所」を定めなければならないとされております。
 バーチャルのみでの株主総会の実施は困難なところ、上場会社が経済産業大臣及び法務大臣による確認を受けた場合は、バーチャルオンリー株主総会を実施できる特例を設けることとされております。

バーチャルオンリー型の株主総会開催に向けた対応状況

 バーチャルオンリー株主総会の実現のための特例が含まれた「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」は、2021年6月9日に参院本会議にて可決・成立しましたが、一部の東証上場会社においては、可決・成立を見込んで今6月の定時株主総会に、下記事例のような定款の変更議案を上程する会社も見受けられます。

Zホールディングス株式会社の事例:2021年6月3日付「第26回 定時株主総会招集ご通知」の第1号議案「定款一部変更の件」
1. 提案の理由
 当社は、遠隔地の株主様など多くの株主様が出席しやすくなることで、株主総会の活性化、効率化、円滑化を図り、また、新型コロナウイルス感染症等の感染症への対策にも資することで、株主様の利益を確保するため、完全電子化による株主総会(完全オンライン株主総会)を開催することができるよう、定款変更を行うものであります。
2. 変更の内容
 変更の内容は次のとおりであります。
 なお、本議案における定款変更の効力は、国会において産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律(2021年2月5日閣議決定。以下「改正産競法」といいます。)が成立し、改正産競法が施行されること及び経済産業省令・法務省令で定めるところにより、当社が実施する完全電子化による株主総会が、株主の利益の確保に配慮しつつ産業競争力を強化することに資する場合として経済産業省令・法務省令で定める要件に該当することについて、経済産業大臣及び法務大臣の確認(以下「本確認」といいます。)を受けることを条件として、本確認を受けた日をもって生じるものといたします。

 

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