2021年 上半期のIPO

本稿では、2021年上半期のIPOについて、全体的な概況、市場別社数やプレーヤー(主幹事証券・監査法人)別社数、「公開価格PER(予想ベース」「初値上場時価総額」「初値騰落率」 のそれぞれの上位・下位3社ランキングなどを取りまとめております。

全体概況

2021年上半期の新規上場会社は53社となり、昨年上半期対比で19社増と大幅に増加しました。(TOKYO PRO Marketは除く)
期越え上場スケジュールの新規上場会社が大きく増加したこともあり、特に6月の新規上場会社は22社となり、上半期の新規上場会社の4割強が6月に集中しました。

市場区分別社数と業種別社数

主幹事証券別社数と監査法人別社数

JDRスキームによるIPO

 2021年6月29日に、オムニ・プラス・システム・リミテッド(シンガポール)が東証マザーズにJDR(Japanese Depositary Receiptの略。)方式で新規上場しました。
 JDRとは、日本型の預託証券のことであり、外国有価証券を受託有価証券として日本国内で信託法に基づき発行される受益証券発行信託の受益証券ですが、JDRスキームによるIPOとしては、過去には2017年9月に東証マザーズに新規上場したテックポイント・インク(米国)があり、今回のオムニ・プラス・システム・リミテッドで2社目のケースとなります。 

上場承認取消

 2020年の上半期は、新型コロナウィルスの感染拡大等を主な理由として18社が上場承認を取消するという特異な状況でした。
 2021年の上半期では4社が上場承認を取消しており、昨年を除いた例年に比べて多めの社数となっております。(その内1社は2021年上半期中に新規上場)
 なお、4社の上場承認取消の理由としては、「業績等に影響を与える可能性がある事象が発生し、その確認に時間を要するため」が3社(内1社は2021年上半期中に新規上場)、「内部統制の有効性に関して確認すべき事項が発見され、当該確認に時間を要するものと判断したため」が1社となっております。

IPO時の海外投資家向け販売

 IPO時の新規公開株式を海外投資家向けに販売する会社は徐々に増加傾向にありますが、2021年の上半期では14社が海外投資家向けに販売を行っております。
 なお、IPO時の海外投資家向け販売は、昨年においては、上半期に1社、通年では16社が行っておりますが、現状の推移から2021年の通年では更に社数が増加することが見込まれます。 

公開価格PER(予想ベース)

初値上場時価総額

初値騰落率

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