2022年上半期の新規上場会社は37社となり、2021年の上半期対比で16社減(約30%減)と大幅に減少しました。(TOKYO PRO Marketは除く)
本稿では、2022年上半期のIPOの特徴や、「市場区分別」「業種別」「主幹事証券別」「監査法人別」の各項目についての2022年上半期の社数ランキングと、「公開価格PER(予想ベース)」「初値上場時価総額」「初値騰落率」の上位下位3社ランキングをまとめております。
市場区分別社数と業種別社数
主幹事証券別社数と監査法人別社数
上場承認取消
2022年上半期の承認取消社数は、18 社の承認取消があった2020 年上半期以来の社数の多さとなっております。
取消理由としては、2 月上旬まではオミクロン株の世界的な感染拡大を中心に言及しておりますが、ウクライナ侵攻が発生した 2 月 24 日を境として、ウクライナ情勢等に言及する傾向が強まったことが特徴となっております。
また、年初から米国を中心に株式相場が軟調に推移していることから、市場動向については全社が言及しております。
なお、2022 年上半期には、内部管理体制上の問題を理由としたケースはありませんでした。
上場初値動向
2022年上半期は、37社中11社の上場初値が公募価格割れとなりました。これは、割合としては29.7%となり、2021年上半期の7.5%(53社中4社が公募価格割れ)や、2021年通年の16%(125社中20社が公募価格割れ)の割合から相当程度上昇した形となっております。
これは、年初から株式相場の下落局面が続いたことや、ウクライナ情勢という地政学的リスクの発生などにより、投資家がIPO株投資に慎重姿勢となる傾向が強まったこと等が影響しているものと推察されます。
なお、関連データとして、2022年上半期の初値騰落率の上位3社及び下位3社のデータを掲載しておりますので、別途ご参照ください。
IPO時のオファリングストラクチャー関連
IPO時の新規公開株式を海外投資家向けに販売する会社は、近年徐々に増加傾向にあり、2021年上半期では14社(2021年通年では31社)が海外投資家向けに販売を行いましたが、2022年上半期では7社と前年同期比で半減となりました。
また、2021年にはIPO時のファイナンスにおいて国内外の投資ファンドへ親引けを実施するケースが数件見られましたが、2022年上半期で実施されたケースはありませんでした。
いずれも、米国の株式相場軟調や金利上昇等の市場環境が大きく変化したことによって、投資家の投資行動に影響があったものと推察されます。
公開価格PER(予想ベース)
初値上場時価総額
初値騰落率
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