2024年上半期の新規上場会社は38社となり、2023年上半期対比で6社減少しました(TOKYO PRO Marketは除く)。
本稿では、2024年上半期のIPOの特徴や、「市場区分別」「業種別」「主幹事証券別」「監査法人別」の各項目についての2024年上半期の社数ランキングと、「公開価格PER(予想ベース)」「初値上場時価総額」「初値騰落率」の上位下位3社ランキングをまとめております。
市場区分別社数と業種別社数
主幹事証券別社数と監査法人別社数
上場初値動向
2024年上半期は、上場初値が公募価格割れとなったのは38社中4社(10.5%)と、44社中4社(9.0%)が公募価格割れとなった2023年上半期の状況より若干割合が増加しているものの大きな変動は見られません。
これは、前年に引き続き年初から日米の金利差による円安の影響も受け日経平均株価の上昇局面が継続し、株式相場全体が比較的安定的に推移したことで、投資家がIPO会社への投資に向かいやすかったこと等が影響しているものと推察されます。
なお、関連データとして、2024年上半期の初値騰落率の上位3社及び下位3社のデータを5頁に掲載しておりますので、別途ご参照ください。
IPO時の海外投資家向け販売
IPO時の新規公開株式を海外投資家向けに販売する会社は、2022年上半期には7社(18.9%)でしたが、2023年上半期には13社(29.5%)、2024年上半期には12社(31.6%)と実施社数は若干減少しているものの、実施割合が増加傾向にあります。
IPO時に、国内外に幅広い投資家を求める動きは、今後も継続していくものと思料されます。
その他2024年上半期におけるIPOの特徴
上場承認が取消となった会社について、2021年上半期では4社、2022年上半期では8社、2023年上半期では4社と多めの社数が続いておりましたが、2024年上半期において上場承認が取消となった会社はありませんでした。
時価総額1,000億円以上(公開価格ベース)のIPOは、2023年上半期は2社であり、2024年上半期は株式会社トライアルホールディングスの1社であり、時価総額は2,021億円となりました。
TOKYO PRO Market市場への新規上場動向
最近のTOKYO PRO Market(以下、TPM)市場への新規上場社数は順調な伸びを示しておりますが、TPM市場への新規上場を取り扱うJ-Adviserの社数の増加もあり、下表の通り特に2020年以降のTPM市場の新規上場社数の増加が顕著となっております。
2024年上半期におけるTPM市場の新規上場社数は、2022年の年間新規上場社数を超える社数となっており、2024年の年間新規上場社数は2023年の年間新規上場社数を大きく上回ることが想定されます。
その他市場を含めた市場全体の新規上場社数における、TPM市場への新規上場社数の割合が2023年上半期対比で24.1%から37.7%へ増加しており、上場市場としての存在感がより一層増しております。
公開価格PER(予想ベース)
初値上場時価総額
初値騰落率
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