2023年の新規上場会社は96社となり、2022年対⽐で5社増加しました(TOKYO PRO Marketは除く)。
本稿では「市場区分別」「業種別」「主幹事証券別」「監査法⼈別」の各項目についての2023年の社数ランキングと、2023年のIPOの特徴や「公開価格PER(予想ベース)」「初値上場時価総額」「初値騰落率」の上位下位3社ランキングをまとめております。
市場区分別社数と業種別社数


主幹事証券会社別社数と監査法⼈別社数


時価総額1,000億円以上のIPO
時価総額1,000億円以上(公開価格ベース)のIPOは、昨年は2社に留まりましたが、2023年は下記の4社となりました。
また、時価総額1,000億円以上(公開価格ベース)のIPO社数4社は、2021年の5社以来で2年ぶりとなります。

IPO時の海外投資家向け販売
IPO時の新規公開株式を海外投資家向けに販売する会社は、2021年には31社(24.8%)、2022年には18社(19.7%)に留まりましたが、2023年には33社(34.3%)と再び実施社数と実施割合が共に大幅な増加に転じました。
IPO時に、国内外に幅広い投資家を求める動きは、今後も継続していくものと思料されます。
共同主幹事案件
IPO時の幹事団組成に関して、共同主幹事方式を採用した会社は、2021年には18社(14.4%)、2022年には7社(7.6%)に留まりましたが、2023年には21社(21.8%)と再び採用社数と採用割合が共に大幅な増加に転じました。
IPO時の新規公開株式の海外投資家向け販売社数の増加によって、国内外含めてより幅広い投資家へのアプローチや、公開価格の設定プロセスの客観性の確保等を目的として、共同主幹事方式を採用した会社が増加したものと推察されます。
特徴的な業種・事業内容の会社の上場
2023年には、下表のような特徴的な事業内容等の会社の新規上場がありました。
特に、宇宙関連のビジネスを展開している会社、政府が掲げる資産運用立国に関連して金融サービスを提供している会社や、また、インパクトIPO という手法で上場を達成した会社が含まれていることが特徴的です。

TOKYO PRO Market 市場への新規上場動向について
最近のTOKYO PRO Market( 以下、TPM) 市場への新規上場社数は順調な伸びを示しており、2023 年のTPM 市場の新規上場社数 は、2022 年から10 社増加した32 社となり、過去最多社数となりました。
TPM市場以外のその他市場全体の新規上場社数との対比においても割合が増加しており、上場市場としての存在感が一層増しております。
また、一旦TPM 市場へ上場した後にその他市場に上場する会社数も徐々に増えており、2023 年にはTPM 市場上場後に最速の約1 年でその他市場に上場する会社も含めて4 社と増加しております。
今後も、TPM 市場への新規上場社数やTPM 市場経由でその他市場へ上場する会社数が増加していく可能性が有ると思料されます。

公開価格PER(予想ベース)

初値上場時価総額

初値騰落率

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